岐阜県高山市で「全麺協素人そば打ち四段位認定会」が開かれ、私もスタッフとして参加させて頂きました。
集合は前日の夕刻でしたが、せっかくなので少し早めに行き、散策をしようと一人で電車に乗り込みました。何しろ天気予報では寒波が到来し、雪模様とあるのでしっかり冬支度の完全防備、ですので東京駅や電車の中では暑くて困りました。新幹線であっという間に名古屋に到着、そこから高山線に乗り換えました。高山線のビュー飛騨号は窓が大きく、要所では観光のアナウンスまでが入り、すっかり旅行気分になりました。しばらく車窓の景色を楽しんでいましたが、下呂温泉を過ぎたあたりから空は曇り始め、何やらみぞれが降ってきました。みぞれはすぐに雪に変わり、外はかなりの横殴りの雪、「初雪」でした。
午後1時過ぎ、降り立った高山駅も雪、旅行者にとっては何ともロマンチックな雪で古い町並みにぴったりと勝手に感動し、取りあえずお腹がすいたので早速「恵比寿屋本店」を目指します。駅前で手に入れた観光地図を見ながらの散策で直ぐに見つかりました。この店は行く前に蕎麦屋さんに詳しい方から教えて頂いた店で、古い佇まいが老舗の貫録を示していました。本当は「もりそば」をキリッと食べるべきなのでしょうが外は雪、温かい「なめこそば」を注文しました。少し平麺で、スルスルと喉に入っていくそばでした。
つゆは思ったよりは甘くなく、すっきりした後味でした。すっかり温まったので本格的に散策、町は平日の悪天候にもかかわらず観光客で結構賑わっており、高山に人気ぶりがうかがえます。
そういえば車中も外国人が大勢乗っていて高山、白川郷に行くのかなあと想像していました。
さて、少し早めに認定会会場に行くと、もう現地のスタッフの皆さんが準備の最中で、会場はほぼ整っていました。明日から二日間に渡り四段位に認定会、早めですが、受験者の皆さんは緊張した面持ちで会場の雰囲気を見学されていました。私も四段位受験の時は一人、大雨の中、福島県の磐梯に行きました。心細くて泣きそうでした。受験生の皆さんを見るとつい、そんなことを思い出しました。
二日間の認定会は難しい粉を相手にいかにして練習の成果を発揮できるかです。落ち着いてそば打ちができた人、苦戦した人と悲喜こもごもで、その中で今回、最高齢の方の凛々しいそば打ちをされました。成績も最優秀でしたが何より姿が美しく、打ったそばが素晴らしく、年齢を味方にしたそば打ちに見え、また、素人のそば打ちの手本だと思いました。
夜の交流会では、久しぶりの方や、初めて言葉を交わす方と、また大きく繋がり、広がりました。こんな時、「そば打ちを続けていて良かった。」とつくづく思うのです。
平成27年12月5日
日本橋そばの会
会長 横田節子